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2019年4月号

目黒川沿いの桜は満開です。

今年は、少し冷える日が続いているせいか、 長く楽しめているようですね。

川には、プレジャーボートやクルーザーが行き交い、 普段の様相とまったく異なる風情を見せています。 その咲き誇る桜もいいのですが、 花が散り青い葉が目立つようになる姿も桜の魅力のひとつです。

魅力は一つだけには限らないということですが、 私たちはどれだけ自分の魅力を実感しているでしょうか。

● 魅力 ————————————————— 白川静によると、「魅」の漢字の持つ意味は、 人を惑わし、同時に「百物の神」でもあるそうです。

人を惑わすような神秘性は持ち合わせていないような気がしますが、 もし、「百物の神」の力が備わっているというのであれば、 それはそれで「魅力的」な話しです。

「あなたの魅力を教えてくれますか?」

つい最近、そんな問いかけを卒業生のAKさんにしました。 なかなか言葉にしずらそうでしたが、 私から見て、AKさんの意志の強さや愛情深さは、 間違いなく、「魅力」そのものです。

彼女は、いままで正しさの剣を使って 邪を打ち負かせながら生き抜いてきました。

クエストで学び、その剣の使い道が、 未来を切り開き人を救うためのものであることに気づいてから、 人生がガラッと変わったのです。

強くて近寄り難い存在から、 「芯のある包容力あふれる存在」への変化と言えるかもしれません。

でも、こういったことを、本人はなかなか気づけないし受け取れないのです。


● 光と影 ————————————————— 目黒川沿いの普段人通りの少ない遊歩道は、 人にあふれ、川面からも楽しげな声が聞こえてきます。 日中は、薄ピンクの花びらが蒼空に見事に映えていました。

ふと、足元の舗装路を見ると、柔らかな桜の枝葉が影を落としていました。 まるで、薄墨の水墨画を見ているようで、とても美しかったのですが、

それを観ながらふと気づいたことがあります。

私たちは、自分の影におびえ、光の部分について無頓着になることがあります。 あるいは、光の部分ばかりを追い求め、 影を心の奥底に隠してしまおうとすることもあるでしょう。

でも、影は影でその存在に理由があり、大切な意味があります。

何よりも、光を際立たせるには、影が必須なのですから。  

● 自分を認める ————————————————— 「自分を認める」とは、何でも肯定することとは違います。 自分の弱点も、秘密があることも、 常識的に正しくない行いをしたことも、嫌いな自分も

すべて「受け止めること」。

そして、どんな些細なことであったとしても、 自分の好きなところを「受け入れること」。 簡単なようでいて、実はなかなか難しいことの一つです。

自分を認めると、どんないいことが始まるのかと言うと、 自分以外の人について心が開いていくのです。 人との距離を感じていたり、人間関係に悩んでいるのであれば、 それは、自分との距離を作り、 自分との関係に悩んでいるということなのです。

そういった意味において、「自分を見つめていく」と言う時間は、 人生の中で一度はしっかり持つべきではないでしょうか。

新年度、新しいスタートを切る方もたくさんいることでしょう。 ぜひ、自分の魅力を見つけ、それを活かしていくことを、心から願っています。

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