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  • miraisozojuku

2024年5月

● 時間ととき

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以前にも書いたような気がしますが、「時間」と「とき」を私は区別しています。

過去から未来へと流れていき、その瞬間を特定できる「時間」と、ある特定の心の状態が起こる「とき」。

ギリシャ神話の「クロノスの時間」と「カイロスのとき」。

クロノスの時間は、例えばわが子が生まれたのが何年何月何日とか、会社の大事なイベントが何月何日なのかとか、特定できるその瞬間を表すのが「時間」

それに対してカイロスの「とき」は、恋に落ちたとき、とか、感動で涙したときとか。

チャンスの神様は前髪しかないって言うのを聞いたことがあると思いますが、カイロスの髪の毛がまさにそんな髪型なんです。

だから目の前を通り過ぎちゃったら、チャンスはつかめませんってこと。

禅で語られる「今ここ」の瞬間と言えるかもしれません。

長さやボリュームで計る時間の中にいると、特に若い頃は時間がいくらあっても足りないし、一日が30時間あればいいなんて思ったこともある。

時間の中に身を置いていると安心があるような気がするし、時間の外側にいると社会から落ちこぼれてしまったような感じがしてしまうのかもしれません。

幸せを求めていつまでも今を苦しんでいるようなものですからね。 


● 自分を感じる

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「五月病」と言われる環境の変化への対応に疲れたころに訪れる精神的不調は、最近では前倒しになって「四月病」にもなっているようです。

新しく始まるから、と頑張って緊張感を持っているうちに、少しずつ場に慣れ親しんでいくうちに、その頑張りの無理がたたって不調を起こしていくのです。

そんなに大げさな症状でなくても、人は精神的な緊張と弛緩を繰り返す中で、何かしらの体への影響を免れません。

だから、普段から自分の体に注意を向けておくことが大事ですね。

ボクたちは長年「心の予防教育」という言葉を使って、事が起きてからの対処ではなく、日常のセルフケアを大事にするよう皆さんに伝えてきました。

そういった点で、アート表現はその「予防効果」は抜群です。

表現方法が言葉だけに限定されがちな日常に、非言語の感覚を持ち込むことは、「想像以上」に心を整えてくれるのです。


● 能登半島

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能登半島の七尾市でアートワークも、皆さんからの寄付金をもとに5回6回と継続させていただいています。

ボクたちの取り組みは、絵を上手に描いてもらうことではなく、言語に偏りがちな表現の中に、言葉では語れない「何か」を感じていただくことで、自分と向き合う「今ここ」のときを共有することにあります。

回を重ねるごとに、アート表現を楽しんでいただける方が増えているようです。

 

当初1か所だったアートの場も、今では3か所。

「絵を描くのは苦手」率が高い日本の中で、実は自由な表現ができる場がなかっただけなんだということを痛切に感じます。

もちろん「自由に表現」することにも不自由さを感じる方はいますが、それは熟練のセラピストさんたちがいますから、その自由を存分に味わえる環境を創り出してくれています。

目的をもって描くアートではなく、自由なアート表現をしている「とき」は、心は自由だし緊張は解かれているし、知らずに心は整っていくのです。

ボクたちの今後の取り組みは、そんな「場を創り出していくこと」にあるんだと、今更ながらに感じています。


● サポートのお願い

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最後に改めてのお願いです。

能登半島支援にあたって、多くの皆様から、たくさんの画材や寄付金を子ども未来研究所にお寄せいただき、活動に生かすことができています。

本当にありがとうございます。

活動を継続していくための寄付金を皆さんにお願いしています。

どうぞよろしくお願いいたします。

被災によって尊い命を奪われてしまった方々のご冥福をお祈りするとともに、一日も早い復興と、被災者の皆様の安心と安全をお祈りしています。

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