2019年12月号
- miraisozojuku
- 2019年12月1日
- 読了時間: 3分
暦は「小雪」
雪がちらつく季節ですが、
さすがに都会は本格的な寒さには至っていませんね。
令和元年も師走となりました。
月並みですが、本当にあっという間の一年でした。
一年を振り返り、今年初めに立てた誓いは何だったろうか、
と思い出している方もいるかもしれません。
今年最後の配信は、この「誓い」について。
● 信念 ———————————————————
信念、と聞くと、強い意志を感じます。
でもそれと同じ、いえそれ以上の力を持つ信念があります。
それは、「否定的信念」
私たちは、自分について
否定的に信じ切っているところがあるようです。
「自分は話すのが苦手だ」 「いつも貧乏暇なしだ」
「自分はすぐにあきらめちゃう人間だ」
「私は、頭が固いから」
などなど。
いくらでも書けそうです。
あなたの、代表的な「否定的信念」はどんなものでしょうか?
● 思い込み ——————————————————— この「否定的信念」は、
「思い込み」と言い換えることもできるかもしれません。
「信じる力」が、否定的な側面に多く注がれてしまいます。
どうせなら、肯定的な側面に「信じる力」を注ぎたいのですが、
いざとなると
「そうはいってもなぁ」と気弱な考えが浮かんできてしまいます。
この思考の癖は、
長い年月によって培われてきた「観念」ですから、
簡単には変えることはできません。
ポジティブシンキング、と言われても、
この否定的な信念を持ち続けている限り、
簡単には前向きにはなれないのです。
それでは、どうすれば
「肯定的な信念」を持つことができるのでしょうか?
● 教育分析の考え方 ———————————————————
深層心理学の分野では、
治療者自身の自己教育の手段として「教育分析」があります。
ユング心理学では、治療者として患者に向き合うのであれば、
患者に対する以上の徹底性で、
自分自身を洞察していかなければならない、と言われます。
自分の内面をよく知らないまま、
人様の心の中に踏み入っていくことは、
あまりにも無謀なことですからね。
ユング派では、300時間とも500時間とも言われますが、
それだけの時間をかけて自分と向き合っていくのです。
かの、河合隼雄先生も
複数の分析家のもとで「教育分析」を行っていました。
ユング派では「夢分析」で内的な洞察を行います。
夢は、無意識からのメッセージを運ぶ一つのメディアです。
そのメッセージは、暗号のようなもので、
表面的な意味に惑わされず、
その真意を探していかなければなりません。
目には見えない、形のない「イメージ」を、
私たちは現実世界にある「象徴」に置き換えて認識していきます。
たとえば、「女性的な」と言うイメージが象徴しているものには、
「花」や「猫」や、海などがあります。
花の夢を見たから、その花ことばの意味を探すのもいいのですが、
象徴としてとらえてみれば、様々な解釈が生まれてくるのです。
こういったイメージを象徴としてとらえることに慣れてくると、
夢の意味を見つけていくことが面白くなってきます。
少し脱線しましたが、見えない心を探るには、
このイメージと上手に付き合っていくことが求められるのです。
● 新しい信念 ———————————————————
運が悪いと嘆く前に、
心の中に隠れている「否定的信念」を探してみることは
きっと価値ある試みです。
悪い運が人生を台無しにしているという考え方もいいのですが、
自分が知らずに身に着けた観念が、
自分の人生を停滞させているのかもしれないのです。
そういう立場に立てば、自分次第で人生はあっという間に好転する、
ということが見えてきます。
今の自分に役立たっていない価値観を、
これからの自分に役立つ「肯定的な信念」に書き換える。
簡単ではありませんが、その一つの試みが、「新年の誓い」なのです。
「私は、自分の才能や力を信じます」 「もう誰のせいにすることもなく、自分の人生をよりよくしていきます」
「一年をかけて、自分を信じる力を養います」
「警戒して疑うのではなく、信じて前に進みます」
「私が一歩踏み出すと、人生が一気に動き始めます」
いかがですか?
あなたなりに、誓いの言葉を考えて、新しい年に臨んでみてください。
それでは、皆様良い年をお迎えください。

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