2025年5月
- miraisozojuku
- 1 日前
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雨のあとに、芽が動きはじめる
―― 穀雨の終わりに寄せて
春の雨がしっとりと大地を潤してきた「穀雨(こくう)」の節気も、そろそろ終わりを迎えます。
この時期に降る雨は、穀物の種に命を吹き込むと言われています。
見えないところで、土の中の芽が少しずつ動きはじめる季節です。
雨が私たちにもたらしてくれるのは、目には見えない「準備の時間」。
静かで、地味で、でもとても大切な時間です。
揺れていた心が、動き出すとき
思春期や青年期――心は揺れるし、自分がよくわからなくなる日もある。
でもそれは、「ちゃんと感じている」証です。
試行錯誤することで、私たちの心は育っていくのです。
雨のように、感情が心の中に静かに降り注ぎ、やがて、自分という存在を根っこから育てていく。
焦らなくていい。比べなくてもいい。
芽が動くタイミングは、人それぞれ。
でも、雨を吸っていた時間は、かならず未来の糧になります。
昨年、35年以上続けてきた小中学生向けのグロースセミナーが幕を閉じました。
そこでは、こんな力を育ててきました。
「自分で決めて、自分で行動して、自分で結果を創り出す」
「創り出した結果がどんなものであっても、自分が創り出したことを認める」
そして今年からは、思春期後半〜青年期――中高生を対象とした、自分の“アイデンティティ”を確立するためのプログラムへと、ステージが移ります。
揺れ動くこの時期こそ、深く根を張り、静かに芽を育てていく時なのです。
大人になっても、芽吹きはある
成人してからの心の成長は、「何かを手放すこと」や「新しい意味を受け入れること」など、より深く、しなやかな形で現れます。
でもその変化もまた、見えない時間――雨の季節――を経てやってくるもの。
たとえば
・ずっと我慢していた想い
一歩前に進む瞬間です。
・ようやく言葉になりそうな願い
声を出して、自分の耳に聞かせてあげましょう。
・諦めかけていたけど、もう一度向き合いたいこと
真正面から向き合います。
そんな想いが、少しずつ、心の土から顔を出してくるかもしれません。
芽が動く、その日を信じて
いま、何も変わっていないように感じるときも、内側ではきっと、何かが動いています。
「いつの間にか芽が出ていた」そんなふうに、気づかないうちに前に進んでいることもあるのです。
だからこそ、自分の心の動きを、静かに見守ってあげてください。
「雨が去ったら、きっと芽が出る」そう信じることが、希望のはじまりになるから。
この季節が、あなたの中に眠る“芽”の気配をそっと教えてくれる時間になりますように。
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