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2021年11月

● したいことをする

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「あなたが人生でやりたいことは何ですか?」


唐突ですが、こんな質問をされたら、どんな答えを出すでしょうか?

したいことは何か?と聞かれても、

意外とすんなりは出てこない人が多いようです。


それに反して、「やらなくちゃいけないこと」は、山ほどありますね?

早起きをして、満員電車で通勤して、山積みされた書類を目の前にして、

いくつもの問題を抱えながら日々を生きる。

そんなふうに、やりたくないことをイヤイヤやっていると、

心も体も疲弊してしまいます。

それでも、生活のためには、「しなくちゃならない」ことはいくらでもあるから、

好き勝手に生きるわけにもいきません。


一方で、「しなくちゃいけないこと」をやりながら生きることの方が、

「楽」と言う人もいます。

「したいことがない」「見つからない」と言う人たちにとって、

しなくちゃならないことがあることは、便利でもあるのです。


● アスファルトの道

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なくなってから25年もたつ作家の遠藤周作の未発表作品が昨年発見されました。


『影に対して』と言う作品で、私はまだ読んではいないのですが、

TVのドキュメンタリーで紹介されていました。

「母をめぐる物語り」と言う副題がついていて、

遠藤周作自身の自伝的な物語だそうです。


自由に生きた母と離別し、父親の下で育った主人公は、

小説家になる夢をあきらめて生計を立てています。

詳しい内容は省くとして、印象的だったのは、

大人になってから受け取った離別した母からの手紙の内容でした。


「アスファルトの道は歩きやすいけれど、あなたの足跡は残らない。

 砂の道は歩きにくいけれど、振り返ったときに、

 あなたの足跡がそこにはっきりと残っている」


この言葉は、とてもインパクトのあるものでした。

「生活か、人生か?」と、あらめて自分に問いかける機会でした。


● 自分軸

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自分軸で生きることは、簡単なことではありません。

日本人の私たちのDNAともいわれる「協調性」は、

ことごとく「自分軸」の邪魔になります。


「人様に迷惑をかけないようにね」

「自分勝手はいけませんよ」

「みんなのためになるように生きなさい」


こんな言葉が、いつもどこからか聞こえてきます。


「好き勝手に生きるのはよくないこと」のように聞こえ、

そのまま「自分勝手」「自己中心」と言う言葉に連想がつながってしまいます。

これでは、「したいことをして生きる」ことには到底たどり着きません。 


● だからこそ

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「したいことをして生きること」と「迷惑をかけないように生きる」ことは

両立するのでしょうか?


正直なところ、両立するのかどうかは「やってみなければわからない」としか、

答えられません。

でも、私たちには「選択する」自由があります。

どのように生きるのか、それを選び、実践し、

自分なりに答えを見つけていくことが許されています。


確かに、「アスファルトの道」は安全で歩きやすいのだけれど、

はたしてそれでいいのか?と自分に問いかけると、混乱してしまいます。


でも、少なくとも、「自分はどうしたいのか?」と問いかけることで、

その瞬間はあなたが自分と一緒にいてあげられます。

周りにばかり意識を向けているうちに、

自分と言いう存在が置き去りになってしまう人は多いですからね。


今年も残すところあと2か月。

さて、今年を振り返って、歩いてきた道は、

アスファルトでしたか、それとも砂でしたか?


年始に立てた誓いや約束をもう一度思い出して、

2021年を生き抜いていきましょう。

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