● したいことをする
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「あなたが人生でやりたいことは何ですか?」
唐突ですが、こんな質問をされたら、どんな答えを出すでしょうか?
したいことは何か?と聞かれても、
意外とすんなりは出てこない人が多いようです。
それに反して、「やらなくちゃいけないこと」は、山ほどありますね?
早起きをして、満員電車で通勤して、山積みされた書類を目の前にして、
いくつもの問題を抱えながら日々を生きる。
そんなふうに、やりたくないことをイヤイヤやっていると、
心も体も疲弊してしまいます。
それでも、生活のためには、「しなくちゃならない」ことはいくらでもあるから、
好き勝手に生きるわけにもいきません。
一方で、「しなくちゃいけないこと」をやりながら生きることの方が、
「楽」と言う人もいます。
「したいことがない」「見つからない」と言う人たちにとって、
しなくちゃならないことがあることは、便利でもあるのです。
● アスファルトの道
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なくなってから25年もたつ作家の遠藤周作の未発表作品が昨年発見されました。
『影に対して』と言う作品で、私はまだ読んではいないのですが、
TVのドキュメンタリーで紹介されていました。
「母をめぐる物語り」と言う副題がついていて、
遠藤周作自身の自伝的な物語だそうです。
自由に生きた母と離別し、父親の下で育った主人公は、
小説家になる夢をあきらめて生計を立てています。
詳しい内容は省くとして、印象的だったのは、
大人になってから受け取った離別した母からの手紙の内容でした。
「アスファルトの道は歩きやすいけれど、あなたの足跡は残らない。
砂の道は歩きにくいけれど、振り返ったときに、
あなたの足跡がそこにはっきりと残っている」
この言葉は、とてもインパクトのあるものでした。
「生活か、人生か?」と、あらめて自分に問いかける機会でした。
● 自分軸
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自分軸で生きることは、簡単なことではありません。
日本人の私たちのDNAともいわれる「協調性」は、
ことごとく「自分軸」の邪魔になります。
「人様に迷惑をかけないようにね」
「自分勝手はいけませんよ」
「みんなのためになるように生きなさい」
こんな言葉が、いつもどこからか聞こえてきます。
「好き勝手に生きるのはよくないこと」のように聞こえ、
そのまま「自分勝手」「自己中心」と言う言葉に連想がつながってしまいます。
これでは、「したいことをして生きる」ことには到底たどり着きません。
● だからこそ
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「したいことをして生きること」と「迷惑をかけないように生きる」ことは
両立するのでしょうか?
正直なところ、両立するのかどうかは「やってみなければわからない」としか、
答えられません。
でも、私たちには「選択する」自由があります。
どのように生きるのか、それを選び、実践し、
自分なりに答えを見つけていくことが許されています。
確かに、「アスファルトの道」は安全で歩きやすいのだけれど、
はたしてそれでいいのか?と自分に問いかけると、混乱してしまいます。
でも、少なくとも、「自分はどうしたいのか?」と問いかけることで、
その瞬間はあなたが自分と一緒にいてあげられます。
周りにばかり意識を向けているうちに、
自分と言いう存在が置き去りになってしまう人は多いですからね。
今年も残すところあと2か月。
さて、今年を振り返って、歩いてきた道は、
アスファルトでしたか、それとも砂でしたか?
年始に立てた誓いや約束をもう一度思い出して、
2021年を生き抜いていきましょう。
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