満開の桜 目黒川は、花筏と、花見のボート往来で、にぎやかです。 コロナ禍とはいえ、やはり人出を止めることはできそうにありませんね。 第4波が来ていると言われています。 終わりのない戦いが続きます。 それでも季節は巡り、大自然は新しい「瞬間(とき)」を私たちに与えてくれています。
●はじまりがなくておわりがない —————————————————————–
季節は、いつ始まりいつ終わるのか。
どの季節から始まったのか。
もしも、小さな子どもから聞かれたら、あなたは何と答えるでしょうか?
かぜはどこへいくのか どこからくるのか
太陽は、夜になるとどこにいくのか
これは シャーロット・ゾロトウという作家の絵本「かぜはどこへいくの」の中の いくつかの問いかけです。
この問いかけに対して、科学的にこたえるか、それとも文学的にこたえるか
あなたならどうこたえるでしょうか?
そして、「はじまりがなくておわりがないもの」と聞かれたら、何を想像しますか?
すぐに答えが出てしまうことよりも、すこしだけ思いを巡らせながら、 心の中を探す問いかけは、 わたしたちのイマジネーションを育ててくれます。
●イマジネーション —————————————————————–
イマジネーションは、創造の土台です。
思い描いたからこそ、私たち人類は、目に見えるものを生みだしてきました
そのイマジネーション(想像する力)は、日常生活でとても重要な側面を持っています。
悩みの中にいるとき、この想像力は、様々な視点を与えてくれるでしょう
未来を描くときに、現実的な束縛を超えてはるかなイメージを広げることもあります
今は会えないあの人と、イメージの中で話をすることも可能です。
想像力は、子どもたちだけの特権ではなく、 実は大人の私たちこそ大切であり必要なものなのです。
●桜は、いつ咲き始めますか? ——————————————————————-
むかし禅の僧侶であり教育者だった無着成恭先生が、 ラジオで子どもたちの質問に答えるという番組がありました。
「さくらのはなはいつさきはじめるんですか?」
幼い子供が、たどたどしく質問します。
成恭先生は独特の、少しなまりのある愛情深い声で
「あのね、さくらはね、はなひらくでしょ?そして、すぐにちりはじめるの、わかる?」
「はい」
「ちりはじめたときがね、さきはじめるときなの わかる?
だからね、いつだってさきはじめるときなの」
「・・・・・・・はい」
このやりとりをたまたま聴いていた私は、ただ「すごい!」と感動したのを覚えています。
子どもにはきっと意味不明だったかも知れませんが。
私たちの日常は、朝始まって夜になれば終わる。
終わりのない仕事だけれど、どこかで何かしらの決着はつく。
人間の命も、、、、。
でも、この世のすべては、「はじまりがなくておわりもない」のかもしれません。
そうやって考えてみると、なんだか急ぎすぎる自分を反省して 「今」を大切にしたくなってくるのです。
すこし、きょうは理屈っぽくなってしまったかもしれませんが、 春がそんな気分にさせたのかも知れません。
毎回お伝えしていますが、コロナ感染予防に、 ひとりひとりきちんと向き合っていきましょう。