●学ばなければ、繰り返す
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同じ失敗や、間違いを何度も繰り返してしまうことがあります。
たとえ気をつけていたとしても、です。
ユング心理学では、コンプレックスがその要因と説明できるのですが、
それはまたの機会に譲ることにします。
同じ失敗を繰り返してしまうことで、
「自分はダメな奴だ」「自分はそういう人間なんだ」と、
自分にネガティブなレッテルを貼ってしまう人もいます。
失敗して、そこから学び、二度と同じ間違いをしないで済む人もいるでしょう。
「起きたことから学ぶ」という心の態度は、自分の成長につながります。
失敗は誰にとってもイヤな体験だと思いますが、
失敗から学び、その失敗を大きな成功につなげていくこともあるのです。
でも、そこから学び取らないと同じことを繰り返すと言いましたが、
「学ばない」ということはどういうことなのでしょうか?
●責任
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何か事が起きて、それが自分にとって不愉快際まりない出来事だった時、
私たちは、その原因を周りに探します。
そして、あの人が悪いとか、あいつのせいだとか、ルールが悪いとか、
しまいには運が悪いと言って、責任を周りに押し付けます。
つまり、この原因を自分以外に求め、
自分にはどうすることもできなかったんだと主張するわけです。
それはそれでもっともな考え方なのかもしれませんが、そのままでは何も学びません。
もちろん、だまされないように、とか、あいつを二度と信用しないとか、
受動的な学びはあるかもしれません。
でも、それでは相変わらず、事の原因が周りにあるままです。
責任というのは、心の在り方のことです。
責任を取る、という言い方をすると、その出来事の原因が自分にあって、
だから自分が悪い、自分のせいなんだと考えてしまいます。
ここでは、「責任を取る」という言い方ではなく、
「責任の立場に立つ」という言い方をすることにします。
それでは、「責任の立場」とはどんなことなのでしょうか?
●被害者
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責任の立場の前に、最初に伝えた、事の原因を周りに求めることを、
「被害者の立場」という言い方をします。
「被害者の立場」に立つのか、「責任の立場」に立つのかによって、
学ぶことは全く違ってきます。
被害者の立場は、先ほど説明したように、
自分が創り出したわけじゃないので、そこからはあまり学べません。
でも、責任の立場に立つと、
「この事実を創り出したのは、あの時にあのことを選択した自分」につながってきます。
お金を貸したのに、返してもらえなかったという体験があったとします。
信用したのに、信じていたのに、大事な友達だと思っていたのに、
と「被害者の立場」にたって、自分にはどうすることもできなかったと考えます。
でも、よくよく考えてみると、そもそも「お金を貸さないという選択」もできたし、
貸したとしても「しつこく催促」することもできました。
返してもらうまで、追いかけることもできたかもしれません。
つまり、「自分にはどうすることもできなかった」わけではなく、
「自分にはあーすることも、こうすること」もできただろうし、
「あーしないことも、こーしないことも選べた」ということです。
これが「責任の立場」
決して、自分が悪かった、ということではありません。
そのことから学ぶので、二度と同じ結果を創り出さなくて済むということなのです。
●自分軸を生きる
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自分らしく生きたいと願う人は多いでしょう。
でも、ここでも何度か書いたように、「らしさ」はとらえにくい概念です。
でも、自分を軸に生きることは、起きたことを誰かや何かのせいにしないので、
自分の次なる考えや行動に活かすことができるのです。
2023年がもうすぐやってきます。
自分軸の生き方、言い換えれば責任の立場に立つ、そんな新しい年を迎えていきたいものですね。
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