● 平和って、何?
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あなたにとって、平和って何ですか?
と聞かれたら、どんな答えを口にするでしょうか。
平和を強く願う世界には、平和ではなく争いがあります。
平和の中にどっぷりとつかっていると、平和が見えなくなってしまいます。
ル・グィンのファンタジーの名作『ゲド戦記』の初めに、こんな言葉があります。
”ことばは沈黙に 光は闇に 生は死のなかにこそあるものなれ
飛翔せる鷹の虚空にこそ輝けるごとくに。”
ー『 エアの創造』ー
ゲド戦記は、河合隼雄が紹介する3大ファンタジーの一つです。
自分の力を過信し思いがけず闇の扉を開いてしまったゲドが、
その苦悩しから逃げ続ける話です。
エアの創造にあるように、光は闇がなければ存在しえません。
もちろん光が善で闇が悪という対立する二極を説明するための言葉ではなく、
私たちの存在するこの世界には、それを補完する「何か」が必ずあるということです。
この一極二元の思想に関しては以前にも伝えたことがあるので、ここでは省略します。
● 差別と平等
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平等を訴える人たちがいます。
平等ではない価値観を持っている人たちを否定します。
一方が主張し他を排除しようとすることは、結果的に差別につながります。
平等を訴える人たちは、この矛盾と葛藤します。
平和も同じです。
平和を訴えて過激な行動に出る人たちがいることの矛盾を、私たちは知っているのです。
「認め合う」ことの価値に気付いている人たちもいます。
それは決して簡単なことではありません。
その難しさに、私たち人類は挑戦し続けているともいえるでしょう。
文科省の中央教育審議会ではこんな提言がされています。
小学校低学年
「友達と仲よく遊び、助け合いましょう」
小学校中学年
「友達の良いところを認め励ましあいましょう」
小学校高学年
「話し合いなどに積極的に参加し、自分と異なる意見も理解しましょう」
これ、大人になった自分が、
はたして堂々と子どもに伝えることができる自分になれているんでしょうか?
● 自分とは
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ウクライナとロシアのことではなく、
私たち自身に問いかけてみなければならない「提言」ですね。
いま改めて、自分と他の関係だけでなく、
自分と自分自身とも関係にも意識を向けていかなければならないのです。
全ての始まりは、「周り」ではなく「自分で在る」という立場に立つことが、
自分を成長させるための第一歩です。
自分が嫌いな自分
自分が認めたくない自分
自分が許せない自分
自分を批判している自分
自分を責める自分
そして、自分を無視している自分
嫌な現実からどんなに逃げ続けても、生きている限り「自分」からは離れられません。
「自分を好きでいる人生」を生きるために、
自分との休戦、平和を創り出していけたらいいですね。
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