● 承認欲求と自己肯定感
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「若者の承認欲求」とか、「子どもたちの自己肯定感」という言葉が
メディアでつかわれることがあります。
でも、それぞれについて詳しく知識を得ているわけではなく、
その言葉のおおよその意味で理解したと思っている人は多いようです。
まず、承認欲求は、マズローの欲求5段階として紹介されることが多く、
その5段階の中の一つです。
私たちは、【生きるための必要最低限の欲求】を持ち、
それが満たされたら【そのことを安全に維持できる】ことを望む。
さらに、その安全が確保されたら、、、、
といった具合で欲求の質(段階)が変化していくわけです。
【承認欲求】は、文字通り社会や自分が所属する集団の中で
高い評価を得たいという欲求です。
誰でも自分の居場所があって、存在を認められ尊重されていたいですからね。
その承認欲求も細かく分ければ2段階あって、誰かに承認を求めるという段階を超えて、
「自分が自分を認める」という段階が【上位の承認欲求】があると言われています。
このあたりに、もう一つの「自己肯定感」という言葉がかかわってきます。
何かを成し遂げて、誰かに認められて承認されれば「自己肯定感」は高まります。
でも、失敗したり非難されたり、
誰のも承認されなければ「自己肯定感」は一気に下がります。
まるで自分の心の成績表のようですね。
承認されるか同課で変化する自己肯定感ではなく、
変わらずに自分を認める感情を「自尊感情」といいます。
● 自尊感情と、自己効力感
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自分を認めることは、簡単ではありませんね。
何をやってもうまくいく人生なんて、そうそうあるものではありません。
ひと時調子が良くても、あっという間に奈落の底へ、
なんていう経験は誰にでもあるでしょう。
そのたびに、自分はダメだ、情けない、何をやってもうまくいかない、と嘆くわけです。
でも、どんなにダメダメな自分でも「大事な自分」であることには変わりはありません。
自分を悪く言う人たちのそばから逃げ出したくなっても、
自分という人間からは逃げることはできませんからね。
自尊感情は、その名の通り、自分を尊ぶ感情です。
自分という人間を、他との比較の中で存在させるのではなく、
今日までけなげに生きてきた自分をまず認める。
そして、そのうえで周囲の誰かを見て、
自分を成長させたいところを見つけてそれに取り組んでいく。
こういったプロセスが自分を育てるわけです。
そして、自分が決めたことは必ず実行するぞ、とか結果を創り出せなくても
決めたことに挑戦したぞといった具合に、
自分はアテになる存在だと感じる感覚を「自己効力感」といいます。
この「自尊感情」と「自己効力感」は、子どもの内にその成長の芽を育てたいのですが、
そのためにはそれを理解する大人が必要です。
つまり、、子どもたちにとってはそれらを育てるための環境が重要だということなのです。
● 子どもたちにかかわることは、、、、
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子育てに直接かかわっている人もいれば、そうでない人もいるでしょう。
子育ては自分育てです。
でも、子どもじゃなくても、誰かや何かを育てることは結果として自分を育てます。
2022年も中盤に入りました。
少し立ち止まり、自分を認め、自分を信じてあげる時間を持つことは、どんなことにも役立ちます。
あらためて、あなたの「自尊感情」や「自己効力感」について、考えてみてはどうでしょう。
6月から、3クール目となる「自尊感情を育てる」講座も始まります。
どうぞチェックしてくださいね。
それでは、また来月に!
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