● 私を支えているもの
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アイデンティティと言う言葉があります。
独自性とか、個性とか、その人らしさとか、
この言葉を日本語に当てはめようとするのですが、なかなかしっくりとしません。
エリクソンと言うフロイト派の心理学者が、この考え方を発表してからこの概念は世界中に広がったようです。
でも、アイデンティティとは何か?という問いに対しては、なかなか明快な答えはないようです。
おかしな話でですが、エリクソン自信が、インタビューで「アイデンティティとは何か?」と聞かれて、
よくわからないと言ったという、
嘘なのか本当なのかわからない話を何かの本で読みました。
本来は「エゴ・アイデンティティ」と言って、日本語では自我同一性と訳されます。
つまり、私が知っている私は、昔も今も、そしてきっとこれからもずっと「私」である、といったこと。
なんだか当たり前だし、だから何?って感じですよね。
もちろん成長し、すこしずつ気持ちの変化もあるのですが、ベースになる私はずっと変わらないわけです。
じゃあ、その私を私であることを証明せよ、そう言われたらどうでしょうか?
● 1万歩
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知らない国の、知らない言葉の街中で、身分を証明するものをなくしたら、
どうやって自分で在ることを証明できるんでしょうか?
アイデンティティとは、私が私であるだけでなく、
何によって私でいるのかという「支えになるもの」が必要になってきます。
どこどこ会社のだれだれです。
社長の、あるいは部長の何々です。
資格をもっていて、こんな活動をしています。
こうやって、私たちは自分を署名できるんですけど、
そういったことの多くは、年齢とともに、また引退とともに、自分を証明するものではなくなります。
私が私を支えているものは何か?
皆さんも、考えてみませんか?
最近、ボク自身を支えているものは、歩くこと
千桂子さんと、時々娘とも歩きます。
Asicsのウォーキングシューズを手に入れて、しっかりと靴ひもを結び、せっせと歩きます。
先日は、住んでいる五反田から奥沢まで歩きました。
天気も良く、途中の洗足池でのんびりと過ごし、奥沢駅近くのビーガンレストランで野菜を食べ、
(ボクは食べず嫌いでしたが、この野菜が本当においしかった)
帰りも調子に乗って歩きとおしました。
この日は、たぶん20キロ以上歩いたのではないかと思います。
おかげで、最近はふくらはぎや、太ももあたりがしっかりしている感覚もあり、
まさに、「ボクを支えてくれて」います。
● 支えは何か
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筋肉だけではなく、歩きとおした自信も、やり遂げた満足感も、知らない街を歩いた楽しさも、
そういったあらゆる事柄が、今のボクを支えてくれているアイデンティティと言えるかもしれません。
仕事が支えだったり、家族だったり、お金だったり、いろんなものが支えにはなるでしょう。
でも、目に見えるものは結局なくなってしまえば「支え」ではなくなってしまうかもしれない。
目に見えない「何か」を心の支えにできたらいいのではないでしょうか?
そういえば、聖心のシスター鈴木秀子先生が、
「心に信仰心を持ちなさい」とおっしゃっていたのを思い出しました。
モノや金、地位や名誉、はあなたをひと時支えるかもしれないけれど、信仰心は永遠ですよ、と。
さて、あなたがあなたでいるために、あなた自身を支えているものは、何でしょう?
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