● 日本人としての春
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欧米諸国だけでなく、中国など一部のアジア諸国も、学校の始業時期は9月。
日本の4月とは半年異なります。
春のイメージは、卒業、別れ、はじまり、出会いなど、私たち共通のライフイベントがあります。
これらのライフイベントの多くは、ストレスを引き起こすものが多くボクたち自身も注意深く過ごさなくてはなりません。
春は、固く縮こまっていた体や心がほぐされて、「開いて」いく時期です。
しかし「開く」ことは解放だけでなく、同時に「安全ではなくなる」ことでもありますね。
心理的に不安定になる時期でもあるので、日本では、4月5月に不調を訴える人が増えてしまいます。
五月病という症状もあります。
健康だと思っている人たちも、「まさか」の時に備え、日ごろから心を安定する方法を身に着けておくといいですね。
● アート表現
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本屋さんに行くと、塗り絵の本が数多く置いてあります。
アートセラピーで塗り絵を使うことは、そんなには多くないのですが、結構気持ちを安定させてくれます。
最近よく聞く言葉に、「没入感(ぼつにゅうかん)」という言葉があります。
聞いたことありますか?
どうやらバーチャルリアリティ(VR)を使っているときの様相を表現したことから広がったらしいのですが、何とも不思議な言葉です。
確かに、アートをしているときの様子を一言で言えば、この「没入感」はピッタリなのかもしれません。
塗り絵、結構「没入」します。
夢中になって、意識が集中していきます。
集中しているさなかに「没入感」を感じることはないのでしょうが、事後「没入していた」という実感を味わえるわけです。
アート表現は、それがどんなものであっても日常から非日常に「没入」することを助けてくれるのです。
● アート表現のハードル
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「絵を描いて」と言われると、躊躇してしまう人は多いかもしれません。
子どものころ「絵を描く」時間は苦痛でした。
「上手に描けない」「はなまるがもらえない」「描いたものを直される」
中学生の時の美術の教師は「馬を描く画家」でした。
たまたまボクが馬の絵を描いていたら「俺に馬の絵を提出するとはいい度胸だ」と言われ、それが決定的になって絵は苦手なものの一つになりました。
幼児のころの、落書きは楽しかったはずなのに、「絵を描くのは苦手」というのは、なんだか腑に落ちませんね。
お菓子みたいに見えたクレヨンを紙の上で走らせてみると、色が現れてくる。
その時の感動は、きっと誰の心の中で輝きを持って存在しているはずです。
● アートによるケア
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現在クエストの卒業生の多くが、それぞれの活動にアートを取り入れています。
子どもから高齢者に至るまで、そして発達に課題があるお子さんやその保護者の方、身体や知的に障害がある方、就労支援などで社会復帰を目指す方々に、あるいは、企業のチームビルディングやファミリーイベントなどなど。
苦手とか、嫌いとかを超えて、その場に集まる方々はみな「没入」していきます。
アートは何かを描くだけでなく、素材に触れたり組み合わせたりするだけで、「夢中」にさせてくれるのです。
そしてその「夢中」は、知らずに心を整えることにつながっていくのです。
ただ、残念なのは、そういった体験をする「場」が少ないこと。
今後ボクたちのミッションは、そんな自由に表現できる「場」を創り出していくことにあるのかもしれません。
● サポートのお願い
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最後に改めてのお願いです。
能登半島支援にあたって、多くの皆様から、たくさんの画材や寄付金を子ども未来研究所にお寄せいただき、活動に生かすことができています。
本当にありがとうございます。
活動を継続していくための寄付金を皆さんにお願いしています。
どうぞよろしくお願いいたします。
NPO法人子ども未来研究所ホームページ
被災によって尊い命を奪われてしまった方々のご冥福をお祈りするとともに、一日も早い復興と、被災者の皆様の安心と安全をお祈りしています。
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